2013年6月14日(金)更新
第103回「脊髄くも膜下麻酔の合併症」
手術中での合併症としては、血圧低下や徐脈などの循環器系への影響があります。悪心・嘔吐などの症状も起こりやすいです。
手術後の合併症の一つに頭痛があります。脊髄くも膜下麻酔では非常に細い針を使用していますが、この穿刺孔から脳脊髄液が漏れることによって脳圧低下や脳支持組織の牽引が生じて頭痛が起きると考えられております。
術後1~2日で頭痛がおき、頭を上げる姿(坐位・立位)で症状が増悪します。多くの場合、安静にしていると1週間ほどで軽減してきます。また稀な合併症では穿刺部位付近の感染や血腫です。この場合脊髄の神経が圧迫され麻痺やしびれをきたすことがあります。麻酔の効果がなくなった後も足の麻痺やしびれがある場合は遠慮なくお知らせ下さい。