2013年2月15日(金)更新
第86回「妊娠高血圧症候群での漢方薬」
妊娠高血圧症候群は浮腫や蛋白尿、尿量の減少といった「水毒」、あるいは自覚症状や代謝異常といった「気血」の乱れと考えています。
漢方による治療は妊娠高血圧症候群が軽症であるときに効果が期待できます。
副作用の少ない当帰芍薬散、柴苓湯は浮腫、蛋白尿には有効であるとの報告があります。
当帰芍薬散は胎盤の血液循環の維持、腎臓の血流量の増加を認め、浮腫、蛋白尿を改善するとの報告があります。また妊娠高血圧症候群を予防するために使用するアスピリンと同様の血小板凝集阻害作用を認めています。
柴苓湯は浮腫が主体で水毒がある時に、体重増加の抑制、蛋白尿の改善があるという報告があります。