マタニティ通信

2012年12月21日(金)更新

第78回「帝王切開術での区域麻酔について」

妊娠中はホルモン分泌や体型、麻酔効果などが非妊娠時と違います。麻酔方法を選択する際には母体の状態や帝王切開術の適応理由・緊急度合、お腹の赤ちゃんへの影響などを考慮します。

帝王切開術の麻酔方法は大きく分けると区域麻酔と全身麻酔の2種類あります。
 区域麻酔(いわゆる下半身麻酔)は脊髄の近く(帝王切開術では主に腰のあたり)にある硬膜外腔あるいはくも膜下腔に局所麻酔薬を注入して足先から胸付近までの痛みを一時的に遮断する麻酔です。帝王切開術では区域麻酔が第一選択で行われています。意識はあるので赤ちゃん誕生時に対面したり産声を聞いたりすることができます。

一方全身麻酔は麻酔薬が脳に作用して意識をとります。区域麻酔に比べると母体や赤ちゃんへの影響が大きな麻酔法です。

執筆者

中川産科婦人科 麻酔科医師 中川 聖子

麻酔科医師:中川 聖子
Masako Nakagawa

久留米大学医学部卒業
広島大学医学部麻酔・蘇生科学教室入局

職歴
県立広島病院
安佐市民病院
広島大学医学部附属病院
資格
日本麻酔科学会 麻酔科専門医
日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース 修了
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