マタニティ通信

2014年6月20日(金)更新

第156回「術後の痛みを自分で調節」

術後の痛みの対処法の一つで硬膜外チューブを背中に数センチ程入れておきます。
 このチューブを用いて手術中は勿論ですが術後の痛みも取り除いております。チューブより持続的に麻酔薬を注入して痛みを軽減しておりますが、帝王切開の術後の痛みは傷口の痛みに加えて子宮収縮の痛みもあるため麻酔薬の持続注入のみでは痛みがでてきます。
 痛いことを医療従事者に伝えて痛み止めの注射や坐薬などの薬を投与してもらいますが、患者様自身で自分の痛みを調節する方法がありこれを「自己調節鎮痛法」といいます。
 この方法であれば遠慮なく自分で鎮痛薬を追加できるボタンを押し早めに痛みの対処が可能です。また使いすぎないように一定時間ロックがかかるので過量投与の心配もありません。

執筆者

中川産科婦人科 麻酔科医師 中川 聖子

麻酔科医師:中川 聖子
Masako Nakagawa

久留米大学医学部卒業
広島大学医学部麻酔・蘇生科学教室入局

職歴
県立広島病院
安佐市民病院
広島大学医学部附属病院
資格
日本麻酔科学会 麻酔科専門医
日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース 修了
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