2013年3月8日(金)更新
第89回「脊髄くも膜下麻酔とは?」
帝王切開術ではよく用いられる麻酔方法で、腰椎麻酔や脊椎麻酔とも呼ばれています。
脳脊髄液で満たされているくも膜下腔に局所麻酔薬を注入します。この場所には脊髄があり麻酔薬が直接脊髄に作用して麻酔効果の発現時間が早くなります。手技も硬膜外麻酔に比べると簡単で数分で終わります。
患者さんには横向きに寝て頂き、まず麻酔をする場所に痛み止めの注射をします。次にとても細い針を用いてくも膜下腔まで針を進めます。くも膜下腔に針先が到達したら麻酔薬を注入します。再び身体を仰向けに戻します。
足やお尻の周辺から麻酔が効き始めます。帝王切開術の場合は足先から胸元辺りまで麻酔を効かせます。麻酔効果は2~3時間持続し、(効き始めとは逆に)胸元辺りから麻酔が切れてきます。