マタニティ通信

2012年12月28日(金)更新

第79回「便秘と痔について」

妊娠して胎児が成長してくると、大きくなった子宮が直腸を圧迫することから、便秘になりがちです。また、内腸骨静脈という、肛門から下大静脈に戻る血管を圧迫するので、肛門周囲の血管がうっ血して炎症をおこし、痔(内痔核や外痔核)ができやすくなります。出産時には、胎児を押し出すためのいきみによって痔ができたり、悪化することもあります。

産前産後の排便習慣は特に大切です。刺激物を控え、食物繊維の多い食品を摂取すること、便意を感じた時に排便すること、トイレで強くいきまないこと、適度な運動をすることなど、日常の注意点に気を配り、肛門に負担をかけない生活を心がけましょう。便秘や痔が解消しない時は、早めに医師に相談し、悪化を防ぎましょう。

執筆者

中川産科婦人科 院長 中川 仁志

中川産科婦人科 院長:中川 仁志
Hitoshi Nakagawa

久留米大学医学部卒業
広島大学医学部産科婦人科学教室入局

職歴
呉医療センター・中国がんセンター
広島大学医学部附属病院
県立広島病院
資格
日本産科婦人科学会 専門医
母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コースインストラクター
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