マタニティ通信

2012年4月27日(金)更新

第44回 「手術を受ける前の絶飲食」

手術の種類にかかわらず手術前には絶飲食の時間が決められます。誤嚥を防ぐために胃の中を空にする必要があるからです。意識が低下している状態では胃の残渣物が食道を逆流して肺の方へ入ると誤嚥性肺炎という重篤な肺炎を引き起こし命に関わる危険があります。

特に妊産婦さんの場合は
●胃での食物の停滞時間が延長している
●胃液の酸度が高い
●大きな子宮で胃が上方に押し上げられている
等々より、絶飲食時間はとても大切です。

また手術後は消化管の動きが低下しており、食べ物などが残っていたら吐き気などがおこり気分が悪くなることもあります。
水分やカロリーなどは点滴で補うため、我慢できないほどの空腹感や口渇は少ないと思います。

執筆者

中川産科婦人科 麻酔科医師 中川 聖子

麻酔科医師:中川 聖子
Masako Nakagawa

久留米大学医学部卒業
広島大学医学部麻酔・蘇生科学教室入局

職歴
県立広島病院
安佐市民病院
広島大学医学部附属病院
資格
日本麻酔科学会 麻酔科専門医
日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース 修了
このサイトは最新のブラウザでご覧ください