マタニティ通信

2012年3月30日(金)更新

第40回「新生児黄疸」

生後2~3日すると多くの新生児は、皮膚や白目の部分(眼瞼結膜)が黄色くなる症状(黄疸)が現れてきます。新生児は肝臓の機能が未熟なため、黄疸のもととなる血液中のビリルビンの処理能力が低く、生理的に黄疸が出現します。

生後5~7日に血液中のビリルビン値がピークに達し、以後低下し、2週間以内には黄疸は自然に消失していくのが一般的です。
生理的な黄疸の場合、治療は必要ありませんが、血液中のビリルビン値が基準値を超えた場合、重症化し後遺症や脳障害(核黄疸)を引き起こす可能性があります。

そのため、定期的に黄疸チェックを行い、基準値を上回る場合には、早期に光線療法や交換輸血の治療を行って重症化するのを防ぎます。症状がみられる場合は、早めに診察を受けましょう。

執筆者

中川産科婦人科 院長 中川 仁志

中川産科婦人科 院長:中川 仁志
Hitoshi Nakagawa

久留米大学医学部卒業
広島大学医学部産科婦人科学教室入局

職歴
呉医療センター・中国がんセンター
広島大学医学部附属病院
県立広島病院
資格
日本産科婦人科学会 専門医
母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コースインストラクター
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