医療法人 中川産科婦人科

中川産科婦人科
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中川産科婦人科 マタニティ通信
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妊娠初期から出産までに知っておきたいこと、お産のきほんや栄養の取り方などを、当院の医師やスタッフがわかりやすく解説した産科婦人科コラムです。タイトルをクリックするとウィンドウが上下してコラムをお読みいただけます。

第157回 産後のセックスと避妊

「産後のセックスと避妊」

からだの回復を待って
 からだの状態が回復していないままにセックスを行うと、会陰切開部の傷口が開いたり、細菌が入って子宮や膣にトラブルが起こることがあります。
 産後1ヶ月健診を受け、医師から「再開OK」の指示が出てからにしましょう。
 健診では、子宮の回復や悪露のようす、会陰の状態をチェックします。回復がはっきりわかれば、からだへの不安や恐怖も和らぐでしょう。
産後の家族計画
 「母乳を与えている間は妊娠しない」といわれますが、これは間違いです。
 絶対に排卵が起こらないかというとそうではありません。また排卵は月経に先だって起こるので「月経がこないから安心」ということもできません。育児は想像以上に大変ですし、母体の回復を考えれば、次の妊娠までは1年ぐらいはあけたほうが無難です。セックスは再開した時からきちんと避妊をしましょう。

写真平成26年6月27日
執筆者:中川 仁志 当院 院長
日本産科婦人科学会認定医 母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コースインストラクター
広島県産婦人科医会常務理事 広島市産婦人科医医会理事

第156回 術後の痛みを自分で調節

「術後の痛みを自分で調節」

 術後の痛みの対処法の一つで硬膜外チューブを背中に数センチ程入れておきます。
 このチューブを用いて手術中は勿論ですが術後の痛みも取り除いております。チューブより持続的に麻酔薬を注入して痛みを軽減しておりますが、帝王切開の術後の痛みは傷口の痛みに加えて子宮収縮の痛みもあるため麻酔薬の持続注入のみでは痛みがでてきます。
 痛いことを医療従事者に伝えて痛み止めの注射や坐薬などの薬を投与してもらいますが、患者様自身で自分の痛みを調節する方法がありこれを「自己調節鎮痛法」といいます。
 この方法であれば遠慮なく自分で鎮痛薬を追加できるボタンを押し早めに痛みの対処が可能です。また使いすぎないように一定時間ロックがかかるので過量投与の心配もありません。

写真平成26年6月20日
執筆者:中川 聖子 当院 麻酔科医師
日本麻酔科学会 麻酔科専門医
日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース 修了

第155回 妊娠中のアレルギー対策

「妊娠中のアレルギー対策」

 妊娠中の食事と子どものアレルギーについて、今でも妊婦さんが、アレルギー対策のために、牛乳や卵を食べないようにしていることがあります。最近の多くの研究報告から、予防のために、妊娠中にその原因となるものを摂取しないことは意味がないことがわかっています。妊娠中と授乳期に特別な食事は必要ありません。
 両親もしくは、母親、父親のどちらかにアレルギーがあれば、子どもにアレルギー体質はある程度の確率で遺伝します。ただし、遺伝したからといって、ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギーの病気が必ず発症するというわけではありません。
 食事制限をすることで、栄養のバランスを崩し、おなかの赤ちゃんの発育に影響を及ぼすことがありますので、バランスの取れた食事をすることが大切でしょう。

写真平成26年6月13日
執筆者:中川 洋 当院 副院長
日本産科婦人科学会認定医 母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース 修了

第154回 妊娠中の皮膚のかゆみと漢方

「妊娠中の皮膚のかゆみと漢方」

 妊娠中に皮膚の痒みを感じることがあります。
 皮膚が乾燥することで痒みを生じている場合は、保湿だけでもある程度の改善を認められる場合もありますが、妊娠中に現れる痒みを伴う皮膚症状には様々な原因があると言われてます。
 人によっては強い痒みを伴い、夜も眠れないほどの症状を認めるときもあります。
 病状によってはステロイドなどを用いた治療が必要な場合もあるので皮膚科での診察、治療を受けてください。
 漢方薬により、かゆみをある程度改善するものがあります。
 温清飲、黄蓮解毒湯は子宮収縮作用のある大黄は含まれてなく、その効果が指摘されています。また、当帰飲子、白虎加人参湯も痒みを抑える作用があると言われています。

写真平成26年6月6日
執筆者:田坂 友成 当院 産科婦人科医師
産婦人科専門医 医学博士

第153回 妊娠中の便秘と漢方

「妊娠中の便秘と漢方」

 便秘は半数近くの妊婦さんにみられると言われています。
 酸化マグネシウム(カマ、マグミットなど)、ラキソベロンなどを用いることでかなりの症状の改善が認められますが、漢方薬を用いることで効果がみられることがあります。
 最初は作用が強くなく、子宮収縮作用のある大黄が含まれていない桂枝加勺薬湯、小建中湯が用いられます。桂枝加勺薬大黄湯は大黄が含まれていますが、大黄の緩和する勺薬が配合されており、作用もマイルドであるので最初に用いられます。また大建中湯も効果があるとの報告もあります。
 頑固な便秘には麻子仁丸、潤腸湯などを用いることもあります。ただし大黄が含まれているので継続しての使用は避けたほうがよいと言われています。

写真平成26年5月30日
執筆者:田坂 友成 当院 産科婦人科医師
産婦人科専門医 医学博士

第152回 妊娠中の引っ越しについて

「妊娠中の引っ越しについて」

 赤ちゃんが生まれる前に広い家への引っ越しを考える方も多いと思います。引っ越しは日常生活と違い多くの体力や気力が必要となりますので、妊娠の安定した時期を選ぶのがいいでしょう。
 妊娠早期、特に3ヵ月までは胎盤が完成していないので流産をしやすい時期であり、また妊娠9ヵ月以降は早産になりやすいため引っ越しは避けた方がいいでしょう。
 出産後は赤ちゃんがいるとますます大変になりますから、引っ越しの時期としては妊娠12週以降32週未満が望ましいと言えます。
 引っ越す前に妊婦健診で異常がない事を確認してもらい、念のため主治医の先生に相談してみるといいでしょう。
 早産の兆候や、安静の必要性を言われている時には引っ越しは避けるようにして下さい。

写真平成26年5月23日
執筆者:中川 三沙  内科医師

第151回 妊娠と歯科健診

「妊娠と歯科健診」

 妊娠中は心と身体がとても大きく変化します。口の中も例外ではなく、だ液の量が減って虫歯や歯周病にかかりやすい環境になっています。つわりによる嘔吐によって逆流した胃液の影響で歯が溶かされて、虫歯が進行しやすくなります。また歯周病は早産や低体重児出産のリスクが高まることが報告されています。
 広島市では妊娠中に1回、無料で歯科健診を行っています。かかりつけの歯科医院を受診しましょう。かかりつけ医のない方は、デンタルパークひろしま【外部リンク】で検索可能です。
 受診される場合は、母子手帳及び母子健康手帳別冊の「妊婦歯科健康診査受診票・結果票」を持参して下さい。

写真平成26年5月16日
執筆者:中川 洋 当院 副院長
日本産科婦人科学会認定医 母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース 修了

第150回 硬膜外麻酔の合併症

「硬膜外麻酔の合併症」

 硬膜外麻酔の手術中および手術後の合併症は脊椎麻酔の合併症と似ております。
 硬膜外麻酔による麻酔範囲の影響で血圧低下や徐脈、それに伴う吐き気、嘔吐、呼吸抑制(息苦しさ)などがあげられます。
 硬膜外麻酔のみによる帝王切開手術の場合は脊椎麻酔を併用した場合と比べて比較的使用する局所麻酔薬の量が多くなるため局所麻酔薬中毒という合併症も起こりうることがあります。
 術後に頭痛がおきることもあります。硬膜外腔の内側にある硬膜を穿刺したことで髄液が漏れ出ることにより起こります。
 発生の原因は脊椎麻酔と似ておりますが硬膜外麻酔の場合使用する穿刺針が脊椎麻酔の針より太いため頭痛の度合が大きくなります。

写真平成26年5月9日
執筆者:中川 聖子 当院 麻酔科医師
日本麻酔科学会 麻酔科専門医
日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース 修了

第149回 産褥体操

「産褥体操」

 産褥期の心身の回復や肥満防止の為に、産後1日目から体操を始めましょう。
悪露の排出を促し、子宮の回復を早めます。
血液の循環が良くなり、母乳の分泌や痔の回復を促します。
出産のために伸びきった筋肉の回復を助けます。
尿や便の排泄機能を整えます。
姿勢を良くして腰痛を防ぎます。
 最初は軽い運動から始めて、徐々に運動の程度を高め、回数も増やしていきます。
 マイペースで毎日続けることが第一。できれば3ヶ月、少なくとも4~6週間は続けましょう。帝王切開の方は、産後2~3週間ぐらいから徐々に初めて下さい。

写真平成26年5月2日
執筆者:中川 仁志 当院 院長
日本産科婦人科学会認定医 母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コースインストラクター
広島県産婦人科医会常務理事 広島市産婦人科医医会理事

第148回 新生児の便

「新生児の便」

 胎便とは、出生後1~2日頃に緑がかった黒っぽい粘りのある便のことです。子宮の中で飲んだ羊水や腸液が便となって出るものです。
 胎便排出後、緑褐色の移行便になり、その後は水っぽい卵黄色(褐色や緑便もあります)の通常便になっていきます。
 便の匂いは甘酸っぱい匂いです。
 十分に母乳を飲む事ができている時は、1日に尿は6~8回、便は2~8回です。個人差もあるのであくまで目安ですが、便の色がいつもと違う(白い便や黒い便が続いたり、便に血が混じっている)時は早めに病院に連絡して相談してみましょう。

写真平成26年4月25日
執筆者:中川 洋 当院 副院長
日本産科婦人科学会認定医 母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース 修了

第147回 新生児黄疸とは?

「新生児黄疸とは?」

 生後2~3日すると多くの新生児は、皮膚や白目の部分(眼瞼結膜)が黄色くなる症状(黄疸)が現れてきます。
新生児は肝臓の機能が未熟なため、黄疸のもととなる血液中のビリルビンの処理能力が低く、生理的に黄疸が出現します。生後5~7日に血液中のビリルビン値がピークに達し、以後低下し2週間以内には黄疸は自然に消失していくのが一般的です。
生理的な黄疸の場合、治療は必要ありませんが、血液中のビリルビン値が基準値を超えた場合、重症化し脳障害(核黄疸)を引き起こす可能性があります。
 そのため、定期的に黄疸チェックを行い、基準値を上回る場合は、早期に光線療法や交換輸血の治療が行われ、重症化するのを防ぎます。
 退院後に黄疸の症状が長引くなど、気になる事があれば早めに受診をしましょう。

写真平成26年4月18日
執筆者:中川 仁志 当院 院長
日本産科婦人科学会認定医 母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コースインストラクター
広島県産婦人科医会常務理事 広島市産婦人科医医会理事

第146回 生理的体重減少とは

「生理的体重減少とは」

 生まれてすぐの赤ちゃんは、生後数日は体重が減少します。
 生後2,3日は飲む量に比べ、体から出る水分量が多いため、一時的に体重が減少します。これを生理的体重減少といい、正常正期産児では、約1週間で出生体重に戻り、その後増加していきます。
 失われる水分として、便・尿・汗や不感蒸泄があります。
(不感蒸泄とは、呼気や皮膚から、目に見えない蒸発によって失われる水分をいいます) 
 新生児は不感蒸泄が多く、成人より体重に占める水分量が多い為、水分バランスは変化しやすい状態にあります。個人差が大きく、脱水や低血糖にも陥りやすい為、医師や助産師等に相談しながら授乳しましょう。

写真平成26年4月11日
執筆者:中川 仁志 当院 院長
日本産科婦人科学会認定医 母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コースインストラクター
広島県産婦人科医会常務理事 広島市産婦人科医医会理事

第145回 おっぱいマッサージ

「おっぱいマッサージ」

 出産後すぐに赤ちゃんに母乳を吸わせてあげられるように妊娠30週頃からは、おっぱいマッサージをして乳頭、乳輪をやわらかくしておきましょう。
 腹緊の自覚がある方、張り止めの薬を内服中、出血がある時は36週頃から行って下さい。
 おっぱいマッサージの手技

  1. マッサージする手の3本指で乳頭、乳輪をはさみ、少しずつ圧を加えながら3秒ほど圧迫します。
  2. 3本の指で乳頭、乳輪をはさみ、横方向にもみずらしながらほぐします。
  3. 3本指で乳頭、乳輪をはさみ、縦方向にもみほぐします。

 初めは軽く力を加えながら、少しずつ圧を加えましょう。
 詳しい方法は、スタッフにお尋ね下さい。

写真平成26年4月4日
執筆者:中川 仁志 当院 院長
日本産科婦人科学会認定医 母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コースインストラクター
広島県産婦人科医会常務理事 広島市産婦人科医医会理事

第144回 母乳育児のメリット

「母乳育児のメリット」

 母乳は、赤ちゃんに必要な栄養素がバランスよく含まれ、病気から身体を守る免疫物質が多く、消化吸収しやすい理想的な栄養です。
 母乳を吸うことで顎が発達し、脳や運動神経の発達を促す効果もあると言われています。肌と肌の触れ合いでスキンシップがはかられ、安心感や信頼感が生まれ、深い絆が育まれます。
 お母さんへの利点は、授乳により分泌されるホルモンの影響で、子宮復古を促し、ダイエットにも効果があり、また、乳癌などの婦人病の罹患率が減ると言われています。
 赤ちゃんが泣いたら直ぐあげられる授乳は、手間がかからず、衛生的、経済的です。
 リラックスした気持ちで母乳育児を楽しみましょう。

写真平成26年3月28日
執筆者:中川 洋 当院 副院長
日本産科婦人科学会認定医 母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース 修了

第143回 母乳分泌について

「母乳分泌について」

 乳汁の成分には、2つのホルモンが作用しています。一番深く関与しているのは、「催乳ホルモン」と呼ばれるプロラクチンで、乳汁の分泌を促す役目を果たします。もう1つは、「射乳ホルモン」と呼ばれるオキシトシンで、乳汁を搾り出す役目を果たします。
 赤ちゃんが乳頭を吸うと、その刺激が母の脊髄を通って、脳下垂体に伝わります。脳下垂体が刺激をキャッチすると、プロラクチンが分泌され乳汁を作ります。同時に脳下垂体からオキシトシンが分泌し乳汁を搾り出します。この2つのホルモンの働きがあって母乳が出るのです。
 赤ちゃんが吸わないと2つのホルモンは分泌しないので、出なくても吸わせ続けることが大切です。

写真平成26年3月21日
執筆者:中川 仁志 当院 院長
日本産科婦人科学会認定医 母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法「専門」コースインストラクター
広島県産婦人科医会常務理事 広島市産婦人科医医会理事

第142回 後陣痛について

「後陣痛について」

 産後の子宮の収縮に伴う痛みを「後陣痛」と言います。「こうじんつう」や「あとばら」という呼び方で知られています。体を動かしたり、授乳をした時に下腹部から腰部に生理痛のような痛みを感じることがあります。それが「後陣痛」です。
 妊娠中に大きくなった子宮は、出産を終えて1ヶ月位かけて徐々に元の大きさに戻っていきます。授乳により分泌されるホルモンの力で、子宮収縮をより促進させます。
 産後数日は子宮収縮に伴って痛みが強いこともありますが、徐々に軽快していきます。痛みの強い時は鎮痛剤を使用するなどしてコントロールすることができます。痛みが強い時は、我慢せずに医師や看護師に相談しましょう。

写真平成26年3月14日
執筆者:中川 洋 当院 副院長
日本産科婦人科学会認定医 母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース 修了

第141回 妊娠中の花粉症

「妊娠中の花粉症」

 だんだん暖かくなってきて花粉の飛ぶ季節となりました。妊婦さんの中には花粉症のある方も多いと思います。
 妊娠中には薬の内服がしにくいため、まずは外出時にマスクやサングラスなどを身につけ、帰宅時に服を外ではたいて花粉をおとすなどセルフケアを行いましょう。
 薬に関しては点鼻薬や点眼薬などの局所治療薬は内服薬よりも安全で妊娠中でも問題ないと言われています。薬は使用せずに我慢する方も多いと思いますが、過度な我慢は逆に妊娠中の体に良くないとも言われています。症状の強い場合には病院を受診し安全な治療薬を処方してもらいましょう。
 また、くしゃみで流産や早産を心配される方も多いですが、花粉症のくしゃみで流産や早産が起こることはまずありません。ただ、お腹に張りを感じる場合には医師に必ず相談しましょう。

写真平成26年3月7日
執筆者:中川 三沙  内科医師